盛岡中央高等学校
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留学を終えて

高橋 芙友

幸運なことに、私はシドニーに留学する機会を与えてもらうことが出来ました。シドニーに着いて初めて思ったことは、当たり前ですが、外国の人しかいないということでした。私が16年間日本で培ってきたものはここでは関係なく、すべて0からのスタートなのだと思いました。

実際、日本で習っていた英語というのはあまり活用することがなく、学校の先生から、またホストファミリーから少しずつ英語を吸収していきました。最初は何を言われているのか全く理解出来ず、聞き取ることが出来た単語だけで「こういうことを言われているのかな?」と考えたり、時には理解できていないのに「Yes」と答えてしまったりしていました。それも英語力が付いていくにつれ理解することが出来るようになり、英語で話す楽しさを知りました。

私はICETという教育機関に入っていたのですが、ICETの先生方はIELTSの検定官の資格を持っており、留学中に3回IELTSを受けました。先生方に検定料を払った訳ではないのですがリーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの四分野全てをやりました。その結果を知ることによって自分の成長を目で確認することが出来、モチベーションを上げることが出来ました。留学当初はスピーキングが他の三分野より高かったのですがそこから伸ばすことが難しく、反対に一番低かったリーディングは自分でも驚くほど伸び帰国前には一番得意な分野になっていました。

帰国してから周りの人たちによく「楽しかった?」と訊かれるのですが、正直楽しかったことよりも辛かったこと、大変だったことの方が多い留学生活でした。しかしながら、それらの経験が自分の精神的な面での成長にとても役立ちました。落ち込みやすい性格なのですが、留学前よりは打たれ強くなったなと思います。また、勉強に対する意識も変わりました。留学前の私にとって勉強は、したくないけれど親や先生にしなければいけないと言われているものでした。それが、この留学を通して勉強は自分のために必要なものだと思うようになりました。

留学中5年生や8年生に日本の文化を教える機会があり、日本の文化を知ろうとしてくれること、日本語を覚えようとしてくれることがただひたすらに嬉しかったです。将来は日本語を学びたいと思っている外国の方々に日本語を教える仕事がしたいと思っています。そのために英語力はもちろん、日本語力もしっかり身に付けていきたいです。