盛岡中央高等学校
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2016年 国際姉妹校友好交流団報告

ラヤマキ高校(フィンランド、ラヤマキ)訪問

【 引率者記 】

平成27年度からスタートした本校のSGHアソシエイトプログラムでは、「地域資源を活用した一次産業に革新をもたらすグローバルベンチャー人材の育成」をテーマに、林業、農業、水産業、畜産業を題材として海外姉妹校との協同研究を進めようとしている。フィンランド・ラヤマキ高校との森林協同研究は、その先駆けとして平成27年度より活動を続けてきた。研究課題は以下のとおりに設定した。

  • 準備期間 平成27年11月~平成27年12月
  • 第1期(平成28年01月~02月) 岩手・フィンランドの森林の特徴
  • 第2期(平成28年04月~06月) この50年間の森林の変化
  • 第3期(平成28年09月~10月) 森林活用の現状
  • 第4期(平成28年11月~12月) 気候変動と森林

準備や打ち合わせに関してはスカイプを利用し、研究発表については無料のウェブサイト(https://rajamakimorioka.wordpress.com/)を利用している。研究は、課外活動の扱いで進めたため、今回派遣された5名の生徒にとっては負担も大きかったことと思うが、指導するわれわれの期待に十分応える活動をしてくれていると思う。

以上の背景の中で実施された今回のフィンランド訪問では、異文化交流・姉妹校との相互理解の深化はもちろん、フィンランドの森林とその活用についての実地調査と理解が重要なテーマであった。

10月下旬のラヤマキは、日本で言えば12月並の気温であるが、小雪降る中で森林フィールドワークを体験し、岩手の森林との植生の違いに気付くことができたのではないかと思う。また、そのような寒さの中でも森の中を散歩する人々に出会うなど、フィンランドの人々と森林の結びつきの強さの一面も見ることができた。

そして何よりも、森林はみなの共有財産との意識があり、土地の所有者が誰であれ、きのこ・ベリー類・木の実などは誰でも自由に採ることができることには驚きを感じた。

森林資源の活用のひとつとして、木質バイオマス発電兼温水供給システムがラヤマキだけでも6か所稼働中である。発電量を安定させるために化石燃料を使用することがあるにせよ、温室効果ガス排出量削減に積極的に取り組んでいる姿を見ることができた。

さらに、森林資源活用を、産業として持続的に発展させるためには、それを維持するための人材が必要となる。フィンランドでは、林業技術を有する人材育成の専門教育コースを持つ学校があり、重機を活用した近代的な林業者を育成している。これが世界1位といわれるフィンランドの林業を支えている。このように、生徒はすばらしいフィールドワークを体験することができた。

さて、文化面に関しても、生徒は大いに交流を深めることができていたと思う。ホストファミリー・バディ生徒との交流、授業への参加、フィンランド語基礎講座、プレクリスマスパーティーなど、本校生徒の興味関心を深める行事が多く用意されていた。

日本語クラスでは、「擬態語」が表す動作を本校の生徒が実演し、フィンランド生徒の日本語理解を深めるという授業が行われた。このような交流は、今後も是非続けることで、姉妹校としての意義を深めることの一助になるのではないかと思う。

今回の訪問では、宇宙のはじまりに関する授業を3時間もつことができた。互いに第2言語での授業というのも面白いものであると感じた。

また、私もホームステイをさせていただいた。第18回CHUO国際教育フォーラムで来日したVarup先生ご一家のご家庭であった。とても心温まる日々を過ごさせていただいたことに深く感謝し、報告の結びとしたい。この機会をいただいたことに深く感謝します。ありがとうございました。

クリスチャンカレッジ訪問(タイ、バンコク)

【 引率者記 】

本校SGHアソシエイト事業の一環として、農業課題について共同研究をしており、本校姉妹校でもあるBangkok Christian college(タイ:バンコク)の生徒とタイの農業について知り、日本ひいては岩手の農業経営との比較検討を行うべく12月3日より11日まで9日間の海外フィールドワークを実施した。

フィールドワークにおいては、タイの米の生産過程を学ぶことができた。私たちが見学させていただいた田んぼは非常に広大であり、苗の栽培や田植え、収穫など様々な面で機械化が進んでいる様子を見てとれた。出荷に際しても、様々な衛生管理や基準のもと検査にかけられ、衛生面での徹底さを目の当たりにした。国内のみならず、広く世界に輸出されているタイ米とそれを支える工場は非常に広大で、大規模かつあらゆる場面で機械によるオートメーション化が進んでおり、日本における自動車工場を彷彿とさせるものであり、米といえば日本という固定概念を揺るがされるものであった。

また、共同研究パートナーである現地グループの生徒に対して、これまでの研究の内容をプレゼンテーションし、日本の農業についてディスカッションした。タイの生徒も日本の農業については関心が高く活発な意見交換をすることができた。